床の間の板からダイニングテーブルへtable053
家を解体して、床の間の地板や違い棚などから、記念にテーブルを作りたい!ということでした。捨てるには忍び難く、古い家の記憶を新たに形に残したいというお気持ちでした。
◆今回は少し制作過程も多めに載せてみました。 まあ、”作る”ってのは時間がかかることを、多少でも御理解して頂きたいのかも知れませんね。。。
持ち込まれた材料
床の間の地板は約1800x850ミリで厚みは25ミリ位ですが、とても質がいい大きな欅でした。ただ、かなり反っていて平滑にすると18ミリで上がるかどうか、という感じです。
違い棚の材
こちらを利用して脚材とします。
上から見ると分かるように材の厚みが左右で違います。(現在と違って、昔の大工さんは”材料なり”で仕事をしていたのが、よく分かります。これは、手仕事でしか出来ないので、昔の職人さんには脱帽です。)
さてどんなテーブルにしようか、、ということで、
①材は削り直していい。
②天板はあまりに薄いので、何とか厚く見せたい!
とのことで、最終的にこんな感じにしよう!ということになりました。
まずは釘センサー
何が何でも金属は抜く必要があります。でないと刃物を傷つけてしまいますので。
とれた、とれた!
元々あった吸い付き桟(反り止め材)を打ち込める所まで打つと、大分ねじれもなくなりました。
少し“引き”が弱かったので、間に薄い板を入れ込みました。
周りを切り取ったのをくっつけて厚みを倍にしよう!という試みです。
接着が終わりました。これなら材が縮んだ時も同じ木なので、無理がありません。
これで、天板を削って平滑にします。先ずは電気カンナ
そして、カンナで横擦り(ここで上手い人はドンドン進めるのですが、自分は時間がかかってしまいます。)
そして、脚材の加工に入ります。
出来上がった感じ(敢えて、溝などは埋めずにそのまま残しました。)
天板の裏側(こんな感じの面取りで、なんとなく2枚を重ねているのをわからないように工夫しました。)
分解できる様に組み立て式です。
楔はアクセントにローズウッドです。
今回の仕上げにはウレタンオイル(オリオ2)を使いました。
完成
昔の大工さんの仕事を垣間見れて、また実にいい質の材を使っていたことがわかり、立派な家だったのだなあ!と想像出来ます。その材で新たなものが作れたのは、作り手冥利につきますね。
床の間板のダイニングテーブルtable053 材料持ち込み ウレタンオイル仕上げ 神奈川大磯町
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